朝5時の稽古場

相撲部屋の稽古は朝5時から始まる。取材のために早朝に訪れた記者は、その光景に圧倒された。

中村記者(以下、中村):毎朝この時間から稽古されているんですね。

関取(以下、関取):そうです。相撲の世界では「稽古は嘘をつかない」という言葉があります。毎日積み重ねることが全て。近道はないんです。

中村:相撲を始めたきっかけは?

関取:田舎の祖父が大相撲ファンで、子どもの頃から一緒にテレビで観ていました。「俺も力士になる」と言ったら、祖父が泣いて喜んでくれた。その顔が忘れられなくて、今でも稽古が辛いときに思い出します。

「横綱」という重さ

中村:横綱になって変わったことは?

関取:責任の重さです。横綱は勝つだけじゃなく、「品格」も求められる。土俵の上でも外でも、常に横綱らしくあらなければならない。それが時に重荷になることもある。でもそれが横綱の仕事だと思っています。

中村:若い人たちへのメッセージをお願いします。

関取:「諦めなければ夢は叶う」なんて言葉は嫌いです(笑)。正確には「諦めなかった人だけが、夢を叶えるチャンスを得られる」ということ。チャンスが来たとき、それを掴めるかどうかは、それまでの積み重ねで決まります。

取材・文:中村優花(BUSHIDO編集部)